医療コンサルティング
2001年1月より、健康保険法が改正になり、国民健康保険加入者が海外で治療を受けた時の医療費についても、国内での医療費と同じように保険給付が受けられるようになりました。

日本国内で医療機関にかかった場合と同じく、自己負担分(3割)は負担しなければなりませんが、この制度を利用すれば、海外旅行保険に入るのを忘れても、海外で病気になったりけがをしたりした時の費用負担が軽減されます。

企業の健康保険では、海外に出張する社員の病気・けがのために、すでにこういう制度がありました。しかし自営業者やフリーターなど国民健保加入者は、海外での医療費は全額自己負担するか、海外旅行保険に入っておいて万が一に備えるしかありませんでした。

しかし、この制度のおかげで、日本で国民健保に加入していれば、外国で当地の医療保険を利用できない短期滞在などでも、医療費の負担がかなり軽くて済むようになりました(ただし、現地では自分で全額負担し、帰国後に請求手続きを行うことになっていますので、一時的にはたくさんのお金がかかります。)。

ただ、この制度ができたからといって海外旅行保険がいらなくなるわけではありません。

国民健保には死亡時の保険金というものはないし、物損や盗難など、病気・けが以外の損害を補償してくれるのは海外旅行保険だけです。
制度の概要
海外療養費の支給
平成13年1月診療分から、海外での病気やケガの治療も保険給付が受けられるようになりました。
医療費の全額を一時負担していただき、あとから国保負担分を請求していただきます。
なお、支給される両用の範囲は、日本国内で保険診療と認められているものに限られ、国内の診療機関にかかった場合
の保険診療料金を標準として計算されます(治療目的で海外に渡航した場合を除きます。)。

申請に必要なもの
1. 領収明細書 [詳細: Form B]
2. 診療内容明細書など治療内容のわかる証拠書類 [詳細: Form A]
※ 必要書類が外国語の場合は翻訳文もつけてください。
3. 保険証
4. 世帯主名義の銀行口座がわかるもの
5. 世帯主の認印
必要書類について
下記のフォーマットで、医師に診療内容の明細を書いてもらうよう頼みます。「保険に必要なので、診療明細を書いてください (Could you write a statement because I need it for my insurance)」と言えば大丈夫でしょう。なお、この書類は、区役所や市役所などの国民健康保険の問い合わせ窓口でもらうことができると思います。
診療内容の明細(Attending Physician's Statement)
各項目の内容は下記の通り。
1. 患者の氏名、年齢(生年月日)、性別
2. 傷病名、及び国民健康保険用国際疾病分類番号
3. 初診日
4. 診療日数
5. 治療の分類 □ 入院 □ 入院外
6. 症状の概要
7. 処方、手術、その他の処置の概要
8. 患者の故意による疾病や傷害ではないですね?
9. 治療実費明細:Form Bに。
10. 担当医の住所・氏名、署名、診療録の番号
領収明細書(Itemaized Receipt)
各項目の内容は下記の通り。
1=初診料、2=再診料、3=往診料、4=入院管理料、5=入院費、6=診察費、7=手術費、8=X線検査費、9=医薬費、10=麻酔費
11=手術室費用、12=その他(項目明記)、13=合計 注意事項:高級室料など、治療に直接関係のないものは除いてください。
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